微生物学講座 | 4時限目 | Lecture

カテゴリー「微生物学講座」

  1. カテゴリーTOP(1時限目)
  2. 2時限目
  3. 3時限目
  4. 4時限目
  5. 5時限目

微生物学講座【食品微生物編】4時限目「食品由来の微生物による疾病」 | 未経験の方のための基礎知識

食品由来の微生物による疾病には細菌性食中毒と経口伝染病がある。
細菌性食中毒では、微生物が食品に付着してそこで増殖し、ある程度の菌量に達するか、
あるいは食品中に毒素を蓄積した後に摂取された場合に発症する。

経口伝染病では、原因微生物が一に対して特に強い病原性を持っており、
微量の菌の摂取によっても発病する。

食中毒菌では、たとえ少量の原因菌が食品に付着していても
冷蔵などにより菌の増殖を阻止すれば予防が可能であるが、
伝染病菌が食品に付着した場合には、その後低温におかれたとしても
菌が生き残っている限り発病の可能性があるので予防対策も特に厳重を要する。

食中毒の概要

食中毒とは経口的に摂取された有毒・有害物質や微生物による中毒(生理的障害・異常現象)をいう。
ここでは、細菌性食中毒について概要を説明する。

食中毒の分類
細菌性食中毒 感染型:生菌を摂取し、体内でその菌が増殖するもの
[例]サルモネラ菌・腸炎ビブリオ菌・病原大腸菌
毒素型:食品中で細菌が産生した毒素の摂取によるもの
[例]ブドウ球菌・ボツリヌス菌
その他:細菌の有毒代謝物(ヒスタミンなど)の摂取による
アレルギー様食中毒
化学性食中毒 有害な化学物質の摂取によるもの
[例]鉛・ヒ素・水銀・有機リン剤・メタノール

サルモネラ食中毒

サルモネラ菌属(Salmonella属)

サルモネラはある特定の性状を示す一群の腸内細菌の総称であり、2,500種以上にものぼる菌型に分類されている。経口伝染病であるチフス菌やパラチフス菌もサルモネラ菌属の一菌型である。グラム陰性の短桿菌で芽胞を作らず、周毛性の鞭毛を持ち運動性がある。熱には弱く、60℃20分間程度の加熱で死滅する。

症状

原因食を摂取してから発症するまでの潜伏期は10〜24時間であり、急激な発熱、頭痛などの全身症状と、腹痛、下痢などの急性胃腸炎症を特徴とする。発熱は38〜40℃の高熱が3〜4日続く。下痢は水様便が多く、1日数回〜10数回におよぶ。一般に一週間以内に症状は治まり、死に至ることは少ない。

汚染経路・原因食品

サルモネラ菌は人、家畜、家禽、イヌ、ネコ、ネズミ、河川水、下水などに広範囲に分布している。家畜や家禽が汚染源として最重要である。

家畜や家禽の汚染肉およびその加工品がそのものが原因食品になる場合も多いが、調理器具などを介した二次汚染が原因となることも多い。ネズミの糞尿が二次汚染源となった事故もある。

サルモネラ食中毒は、食肉を中心とした食品が原因食品となることが多いが、二次汚染によるものでは多種多様である。液卵や乾燥卵もしばしば汚染されており、それらの加工品による場合も見られる。

サルモネラ食中毒の概要
菌の特徴 主要原因食品 潜伏期 主要症状
グラム陰性、桿菌
通性嫌気性
食肉類
畜産加工品
6〜48時間 下痢・腹痛・発熱
吐き気・嘔吐
予防

サルモネラは環境に広範囲に分布しており、汚染源を完全に排除することは不可能である。ごく小数のサルモネラ菌を摂取しても発症する危険性があるため、食中毒予防手段としては汚染食肉からの二次汚染を拡大させないことが重要である。また、食肉の低温管理を徹底してサルモネラ菌の増殖を阻止することも重要な手段である。また、熱に弱いので、サルモネラ汚染の可能性のある食品の加熱調理を徹底するとともに、調理後の二次汚染を排除することが重要である。

腸炎ビブリオ食中毒

腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahaemolyticus)

本菌はグラム陰性の桿菌で、一本の長い極毛性の鞭毛を持ち活発に運動する。食塩を含まない環境ではまったく発育しないが、3〜4%(海水程度)の食塩を添加した培地でよく発育する。育至適温度は37℃で、世代交代時間は9〜13分と短く、30℃以上の温度では他の食中毒菌や腐敗菌などよりも速やかに増殖する。熱には弱く60℃で15分間、100℃では数分間で死滅する.低温では活動が鈍り、5℃以下では増殖できない。

症状

摂取後8〜20時間程度で発症する.主要な症状は下痢と腹痛である。下痢は水様便で時に粘血便が混ざる場合もある。腹痛は上腹部に激痛がある。このほか、発熱、吐き気、頭痛を伴う場合もある。下痢の特に激しいときは脱水症状を起こし、まれに死亡する場合もあるが、一般には経過は良好で2〜3日で回復する。

汚染経路・原因食品

腸炎ビブリオ菌は海水、海底の泥、プランクトンや魚介類に広く分布する海洋細菌である。海水の温度が20℃以上になると、本菌生菌数が増加する。夏季の日本沿岸や暖かい地域の海水には本菌が常在していると考えられるので、魚介類は水揚げの前に既に汚染を受けており、体表の粘膜、鰓、消化管に付着している。

原因食品としては、夏場の近海産魚介類を生食に起因することがもっとも多い。世代交替時間が短いので調理の際に本菌が刺し身に付着したばあい、温度管理が不備であればわずかな時間で発症量にまで増殖する。

魚介類を取り扱った調理器具を介して他の食品を二次的に汚染する場合もあり、塩分を含んだ食品であれば速やかに増殖し、原因食品となり得る。

腸炎ビブリオ食中毒の概要
菌の特徴 主要原因食品 潜伏期 主要症状
グラム陰性、桿菌
通性嫌気性
海産魚介類 4〜48時間 下痢(水様便)、上腹部の激痛
発熱・吐き気・嘔吐
予防

本菌の棲息域は海洋であるので、魚介類の一時汚染を防ぐことは困難である。

一般には、少量の菌を喫食しても発症には至らないので、本菌が付着した魚介類でも調理の際の取り扱いで本菌増殖の機会を与えなければ食中毒は予防し得る。すなわち、腸炎ビブリオ菌は低温では増殖しないので温度管理が最も重要な手段である。 本菌は真水では生育できず、また熱に弱いので、調理器具の洗浄の徹底や熱湯消毒などが二次汚染防止の上で重要である。

NAGビブリオ食中毒

NAGビブリオ菌(non O1 Vibrio cholerae)

分類学的にコレラ菌(O1 Vibrio cholerae)とまったく同一であるが、コレラ診断血清に反応しない。塩分濃度1〜2%でよく増殖するので、河口付近の河川水、底土などに存在する。その生態はコレラ菌と同様である。

症状

急性胃腸炎型と下痢型がある。下痢型ではコレラ菌と同様の毒素を産生することがわかっている。

NAGビブリオ食中毒の概要
菌の特徴 主要原因食品 潜伏期 主要症状
グラム陰性、桿菌
通性嫌気性
海産魚介類 4〜48時間 下痢(コレラ様)
腹痛・吐き気・嘔吐
予防

輸入冷凍魚介類はかなりの数がNAGビブリオに汚染されていると考えられる。予防方法としては、腸炎ビブリオと同様に食品の温度管理がもっとも重要である。なお、本菌は熱や乾燥には弱いが、真水中では生育する点が腸炎ビブリオと異なっている。

ブドウ球菌食中毒

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)

直径0.8〜1.0μmのグラム陽性球菌で、発育至適温度は35℃前後であるが、10〜45℃で発育可能である。本菌は食塩耐性があり、7.5%の食塩濃度でも発育が可能である。

ブドウ球菌は食品中で増殖する際に毒素(エンテロトキシン)を産生し、この毒素が食品とともに摂取されて食中毒症状を引き起こす。この毒素は熱に強く、食品中では120℃、20分の加熱では失活しない。食品中に菌が増殖して毒素が産生された場合は、通常の加熱調理では破壊されず、食中毒の原因となり得る。ブドウ球菌は比較的熱に強いが、80℃、30分の加熱で死滅する。

症状

喫食後1〜5時間で発症する。一般に毒素型食中毒は感染型食中毒に比較して潜伏期間が短い。症状としては、まず唾液の分泌が増し、悪心、吐き気、嘔吐が起こる。続いて下痢、腹痛が起こる。吐き気、嘔吐はブドウ球菌中毒の特徴である。各症状は数時間程度で治まり、ほとんどの場合24時間以内に回復する。

汚染経路・原因食品

ブドウ球菌は自然界に広く分布しおり、塵芥、下水などに常在する。人の皮膚、鼻腔などにも存在し、皮膚、粘膜に傷があると侵入し、化膿性疾患を引き起こす。食品への汚染源として重要なのは人の化膿巣であり、特に食品取扱者の手指に化膿性疾患がある場合には、本菌の濃厚な汚染の可能性がある。

日本では「にぎりめし」や「いなりずし」など手指を使って加工され、習慣的に常温で保管される食品が原因となることが多いが、加工食品全般に原因食品となり得る。

ブドウ球菌は家畜、家禽などにも常在しているので、畜肉、鶏肉、卵なども汚染源になる。

ブドウ球菌食中毒の概要
菌の特徴 主要原因食品 潜伏期 主要症状
グラム陽性、球菌
通性嫌気性
弁当類、おにぎり
サンドィッチ
1〜6時間 激しい嘔吐
腹痛・下痢
予防

ブドウ球菌は環境に広く分布し、また、人の皮膚にも常在しているので、ブドウ球菌汚染を完全に防止するのは困難である。化膿創からの濃厚汚染は特に危険であるので、手指に傷がある者は食品を扱わないようにすることが大事である。

ブドウ球菌の場合は、少量の菌を摂取しても食中毒は発症しないので、食品中での増殖を防止することが重要である。本菌は10℃以下では増殖せず、毒素を産生しないので低温保存は予防上もっとも重要である。

ボツリヌス食中毒

ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)

長さ4〜6μmのグラム陽性桿菌で芽胞を形成する。地上最強、青酸カリの30万倍と言われる毒素を産生する。偏性嫌気性菌であり、酸素の存在下では発育できない。

至適発育温度は20〜37℃であるが、菌型によっては4℃でも増殖し、毒素を産生する。芽胞は耐熱性があり、120℃、20分の加熱で死滅する。毒素は、80℃、30分の加熱で失活する。

症状

毒素喫食後12〜36時間で発症する。主要症状は特異な神経症状であり、視力低下、眼瞼下垂、復視、瞳孔拡散などが表れ、これとともに口渇、嚥下困難、運動麻痺を起こし、重症例では呼吸困難に陥り死亡する。ボツリヌス食中毒の発生数は他の食中毒に比べて少ないが、発症した場合の死亡率は高い。

汚染経路・原因食品

ボツリヌス菌は抵抗性の強い芽胞の状態で世界中の土壌、海、河川など自然界に広く分布しており、ほとんどの食品原料に汚染の可能性があると言える。

元来より、本菌は偏性嫌気性菌であるので、ソーセージ類など内部が嫌気的条件になる食肉加工品が原因食品となることが多く、また、自家製の野菜類缶詰や魚介類の漬け物なども多い。

ブドウ球菌食中毒の概要
菌の特徴 主要原因食品 潜伏期 主要症状
グラム陽性、桿菌
偏性嫌気性
缶詰・びん詰
腸詰・いずし
12時間〜4日 弱視・複視・眼瞼・
下垂嚥下困難
呼吸困難・麻痺
予防

食品原料はボツリヌス菌の芽胞で汚染されている可能性が高い。嫌気的条件で加工・保存する食品ではボツリヌス毒素が生産される可能性がある。

原料の十分な洗浄、加熱による芽胞の完全殺菌(レトルト殺菌)、物理的・化学的条件(pH4.5以下、水分活性0.94以下、亜硝酸ナトリウム添加)による芽胞の発芽・増殖阻止などの方法で防止できる。

毒素は加熱により無毒化するので、食品の喫食直前の加熱が有効である。

病原大腸菌食中毒

病原大腸菌(Esherichia coli)

大腸菌は人の大腸に常在する細菌であり、通常は病原性を有しないが、大腸菌の中に人に胃腸炎を起こすものが存在することが明らかにされた。このような大腸菌を一般の大腸菌と区別して病原大腸菌と呼んでいる。

病原大腸菌は次の4種類に大別されている。

  1. 腸管侵襲性大腸菌(EIEC):
    大腸粘膜に侵入し、下痢を起こす。
  2. 腸管毒素原性大腸菌(ETEC):
    小腸内で菌が増殖し、毒素を生産して下痢を起こす。
  3. 腸管病原性大腸菌(EPEC):
    大量の経口摂取によって急性胃腸炎を起こす。
  4. 腸管出血性大腸菌(EHEC):
    赤痢菌と同様の毒素を産生し、出血性大腸炎の原因となる。(O157など)。
症状

各菌によって症状は異なる。

  1. EIEC:発熱、腹痛、渋り腹などが主で便に粘液、膿、血液が見られる。
  2. ETEC:発熱はなく全身症状は軽い.水様便の下痢は激しい。
  3. EPEC:悪心、嘔吐、腹痛、下痢で多くの場合発熱する。
  4. EHEC:水様便(後に血液を混じる)と腹痛を主症状とする。出血性尿毒素症候群を併発することがある。
汚染経路・原因食品

EIECは一般に人から人へ感染する。EPEC、ETECなどは本菌の増殖した食品の摂取により感染する。病原大腸菌食中毒では飲料水やカキなど水系感染が多い。

病原大腸菌食中毒の概要
菌の特徴 主要原因食品 潜伏期 主要症状
グラム陰性
桿菌
通性嫌気性
弁当類
魚介類・食肉
飲料水
6〜72時間 ETEC
下痢(水様便)
腹痛・脱水症状
EHEC
下痢・血便
腹痛吐き気・嘔吐

ウェルシュ菌食中毒

ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)

ウェルシュ菌自体は人の腸管に常在する菌であり、その中に食中毒を起こす一種の変異型がある。本菌は、グラム陽性の嫌気性桿菌で、芽胞を形成する.芽胞は100℃、1〜4時間の加熱に耐える。増殖至適温度は43〜47℃で、50℃でも増殖が可能である。

症状

ウェルシュ菌が多量に増殖した食品を摂取すると、腸管内で更に増殖し、芽胞を形成する際に毒素が生産され食中毒が起こる。潜伏期は8〜20時間で主要症状は下痢と腹痛である。一般に症状は軽く、1〜2日で回復する。

汚染経路・原因食品

獣肉や魚介類はウェルシュ菌の汚染率が高く、原因食品になりやすい。これらの食品を加熱調理することにより、細菌の多くは死滅するが、ウェルシュ菌の芽胞が生き残る。さらに、加熱処理はウェルシュ菌芽胞の発芽を促進し、また食品中の酸素を除去することにもなってウェルシュ菌増殖の好条件をつくる。

ウェルシュ菌食中毒の概要
菌の特徴 主要原因食品 潜伏期 主要症状
グラム陽性
桿菌
偏性嫌気性
肉類の調理品 1〜24時間 激しい下痢
(一過性・水様便)
腹痛

カンピロバクター食中毒

カンピロバクター菌(Campylobactor jejuniおよびcoli)

カンピロバクター菌はグラム陰性のやや細い湾曲した桿菌で、両端若しくは一端に鞭毛を持ち活発に運動する。本菌は、わずかの酸素が存在する(酸素濃度3〜15%)特殊な環境条件でのみ増殖する。増殖温度域は30〜45℃と狭く、通常の室温では増殖できない。

症状

潜伏期は2〜7日と長く、主な症状は下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐き気などである。一般に数日で快方に向かう。

汚染経路・原因食品

本菌はニワトリ、ブタ、ウシ、イヌ、ネコ、水鳥などの動物に常在し、汚染源となっている。原因食品として重要なものは鶏肉で、生食または加熱不十分な調理による食中毒例が多い。

カンピロバクター菌食中毒の概要
菌の特徴 主要原因食品 潜伏期 主要症状
グラム陰性
ラセン菌
微好気性
鶏肉・食肉 1〜10日 下痢(腐敗臭・
胆汁性水様便)
腹痛・発熱・嘔吐

セレウス食中毒

セレウス菌(Bacillus cereus)

セレウス菌は、Bucillus属細菌の中では、菌体が大きく、径0.9〜1.2μmの長桿菌で連鎖をつくる。セレウス菌は、耐熱性の芽胞を作る細菌であるが、ボツリヌス、ウェルシュと違って、環境に酸素があってもなくても増殖できる。

増殖は好気的環境のほうが速い。この菌は中温細菌で10℃以下では、増殖しないと考えられてきたが、4〜6℃で増殖する低温性の菌株があることが明らかになっている。

セレウス菌は環境に広く分布しており、大部分の菌株は人に毒性をもたない。食中毒の原因になるのは、毒素を作る能力の高いごく一部の菌株に限られる。

症状

セレウス菌食中毒は、嘔吐型と下痢型に明瞭に分かれており、原因となる毒素の型も菌株も異なる。どちらの型の食中毒も比較的軽い場合が多く、死亡にいたるケースはほとんどない。潜伏期間は、いずれも短く、、嘔吐型は1〜5時間、下痢型は8〜16時間(時には24時間以上)。嘔吐型は食品中で作られた毒素、下痢型は摂取した菌が小腸で増殖して発生する毒素が原因になるため潜伏期間が異なる。

汚染経路・原因食品

セレウス菌は土壌など自然界に広く分布しているため、各種食品はしばしばセレウス菌に汚染される。 わが国で発生する事例の大部分は嘔吐型であり、典型的な事例は、加熱調理食品が調理後喫食までの間、常温に放置された場合に起こる。

過去に見られた事例による原因食品は、嘔吐型で焼飯・ピラフが最も多く、下痢型ではバニラソース、調理肉、カスタード、スープなど各種調理食品による事例が見られる。

セレウス菌食中毒の概要
菌の特徴 主要原因食品 潜伏期 主要症状
グラム陽性
桿菌
通性嫌気性
嘔吐型:焼飯・ピラフ
下痢型:調理肉、カスタード、スープ
嘔吐型:1〜5時間
下痢型:8〜16時間
嘔吐、下痢
予防

セレウス菌(芽胞)は、自然界や生米をはじめとして多くの食品素材に常在しているので汚染防止は難しい。芽胞は耐熱性を持ち、通常の調理で死滅しないので、温度管理による増殖阻止が唯一の制御法である。

すなわち、食べ物を10〜50℃の温度範囲に数時間以上さらさない。調理後に10時間以上、保存する場合は5℃以下に急冷して冷蔵するか、60℃以下に下げないまま温蔵を続ける。

  • 経口伝染病

    経口伝染病とは、病原微生物が口から侵入する伝染病を特に携行伝染病または消化器系伝染病と呼ぶが、主な病変が消化器に発生すると限るものではない。病原菌の侵入感染が消化器を経て起こるということである。経口伝染病の代表的なものに赤痢、腸チフス、バラチフス、コレラがある。

    細菌性赤痢

    赤痢菌(Shigella dysenteriae、 S.flexneri、 S.sonnei)

    通性嫌気性、グラム陰性の桿菌で、増殖至適温度は37℃、運動性を持たない.抵抗性は弱く、加熱や塩素殺菌剤で消毒が可能である。

    症状

    潜伏期間は1〜3日程度で、発熱、頭痛、倦怠感に始まり、腹痛、下痢を起こす。近年では重症例は少なく数回の下痢、軽度の発熱で経過することが多い。

    感染経路

    患者または保菌者の便に汚染された飲食物、食器などを介して伝染する。

    腸チフス

    チフス菌(Salmonella typhi)

    サルモネラ食中毒と同じSalmonella属の菌である。増殖至適温度は37℃、加熱には弱く60℃、15〜20分の煮沸で死滅する。

    症状

    潜伏期間は7〜14日で発熱、除脈、パラ疹、脾腫などの全身症状がある。熱は段階的に上昇し、40℃前後に達する。

    感染経路

    患者又は保菌者の糞便や尿で汚染された食品、食器、手指などが感染源となる。飲食物としては生カキや牛乳、乳製品が原因となった例がある。

    パラチフス

    パラチフス菌(Salmonella paratyphi A)

    サルモネラ菌属のパラチフスA菌による。

    症状

    腸チフスと同様であるが、一般に軽症である。

    感染経路

    腸チフスと同様

    コレラ

    コレラ菌(Vibrio colerae)

    コレラ菌はやや湾曲したバナナ状のグラム陰性桿菌で、大きさは0.4〜0.6×1.5〜3.0μm、一本の鞭毛を持ち活発に運動する。増殖至適温度は37℃、アルカリ性でよく増殖する。

    高温や酸に弱く、また、乾燥に対しても弱い。

    症状

    潜伏期は数時間〜5日で、突然の下痢と嘔吐で始まり、便は米のとぎ汁様になる。重症では激しい脱水症状を起こし、循環障害、体温降下、虚脱を起こして死亡する。 軟便や軽い下痢をするのみの軽症患者もかなり多い。

    感染経路

    感染源は患者の糞便および嘔吐物で、これに汚染された食品や水で感染する。また、患者・保菌者の排泄物が海水を汚染し、さらに魚介類に付着して流行することもある。

    経口伝染病の予防
    感染減対策 経口伝染病の感染源は患者および保菌者の排泄物であるので、患者の早期発見、隔離が予防上重要である。また、患者との接触者の検便などから健康保菌者の発見に努める。患者、保菌者の排泄物その他は、完全に消毒する必要がある。
    感染経路対策 飲料水が伝染性病原菌で汚染された場合は大流行の危険があるので、上水道、井戸の管理が重要である。食器、容器、調理器具なども清潔を要する。また、飲食物取扱者が保菌者であると危険であるので、定期的な健康診断・検便が予防には有効である。
    1. 前のページへ戻る
    2. 次のページへ
    3. カテゴリーTOPへ戻る
    1. BACcT導入事例 | あの中小食品メーカーからあの大手企業まで、これまで過去4,000件の導入実績
    1. 日本細菌検査をお気に入りに登録する
    1. 微生物学講座 | 未経験の方のための基礎知識
    2. 微生物検査に関する用語集
    3. BACcT操作手順 | あなたを細菌検査のプロに
    1. お客様への約束
    2. NBT受託検査
    3. BACcTの操作について
    4. CLUB BACcTとは?
    5. BACcT開発秘話
    6. 細菌検査未経験のあなた様へ
    7. 微生物学講座

    1. BACcTを導入すると? | 肝心なことはここに詰まっています!!
    2. メールでのお問い合わせはこちら | お電話でのお問い合わせ大歓迎!! | TEL0120-8910-46(受付:平日9〜12時、13〜17時)
    3. お試しデモンストレーションをご用意しました | 初めてのお客様専用 | 「細菌検査なんてできるか不安・・・」というあなたに
    4. 細菌検査お助け人紹介 | 私たちがあなたをプロにいたします!

    営業カレンダー

    赤字の箇所は休業日、青字の箇所は土曜で午前中(9:00~12:00)のみの営業です。 ※お電話の受付は平日9:00〜12:00、13:00〜17:00、土曜9:00~12:00の間です。

    1. CLUB BACcTについて
    2. バクットBlog | ☆☆本日もお世話になりました☆☆初めての方のためのデモンストレーションに行って参りました

    ●会社案内

    日本細菌検査株式会社
    〒532-0005
    大阪市淀川区三国本町2-13-59
    TEL:06-6395-3731
    FAX:06-6395-3737

    日本細菌検査株式会社

    このサイトに関するご意見・ご質問はこちらから
    (質問のフォームが動作しない場合は、support@bacct.comにお問い合わせください)

    許可なく複製、転用、配布、販売などの二次利用することは禁じます。Copyright©2009 Nippon Bacterial Test Co., Ltd. All rights reserved