用語集 | Glossary

解説付き用語集(五十音順)

用語 読み 解説
ア行
ISO アイエスオー 国際標準化機構(International Organization for Standardization)。本部はスイスのジュネーブにあり、さまざまな工業分野(電気関係以外)の国際的な標準である国際規格を作成するための非営利の民間法人。国際標準化機構が定めた国際規格自体も一般にはISOと呼び、「ISO+規格番号:策定or改定年度」という形式で表わされる。
例)ISO 9001:2005 品質管理システム
アオカビ アオカビ 主に不完全菌類のペニシリウム属(Penicillium)を指す。
アカカビ アカカビ 主に不完全菌類のフザリウム属(Fusarium)を指す。
亜硝酸根 アショウサンコン 食品中に存在するNO2(亜硝酸イオン)の量。
アスペルギルス
aspergillus
アスペルギルス アスペルギルス(Aspergillus)属はコウジカビとも呼ばれる不完全菌類で、食品衛生上重要な菌種を多く含む。カビ毒のアフラトキシンを産生するA. favusやオクラトキシンを産生するA. ochraceus、果実などの植物病原菌であるA. nigerなどが有名。
アナフィラキシー
anaphylaxis
アナフィラキシー ハチ毒・食物・薬物などが原因となって起こる、人体の過剰な免疫応答による急性アレルギー症状。ジンマシンなどの皮膚症状や呼吸困難、めまいや意識障害などを起こし、ときに生命を脅かすほどの重篤なショック症状に陥ることがある。(アナフィラキシーショック)
アニサキス
anisakis
アニサキス アニサキスは回虫目のアニサキス属に含まれる線形動物の総称で、特に海産動物に多く寄生する寄生虫。非加熱のサバ、アジ、タラ、イカを喫食した場合、ヒトに感染してアニサキス症と呼ばれる健康障害を引き起こすことがある。
アフラトキシン
aflatoxin
アフラトキシン カビ毒(マイコトキシン)の1種。主にアスペルギルス属のAspergillus flabus、A. parasiticus、A. nomiusが産生する毒素で、最強の発癌性物質として知られる。その化学構造によりB1、B2、G1、G2など10数種類に分類される。アフラトキシン産生株は主に熱帯、亜熱帯地域に生息し、当該地域で収穫された米、麦類、トウモロコシ、ナッツ類、香辛料からアフラトキシンが検出されることが多い。
洗い落とし法 アライオトシホウ 製造環境検査で表面に付着した菌を殺菌水などで洗い落とし捕集するサンプリング法。布製品やボトルなどの包装容器の内部付着菌を検査する際に用いられる。
アルカリ洗剤
Alkaline detergent
アルカリセンザイ 溶液にしたときアルカリ性(pH11以上)を示す洗剤。アルカリ洗剤はタンパクを溶解し、油汚れにも効果が高いので食品工場の頑固な汚れ除去に使用される。
アルコール
alcohol
アルコール =エタノールethanol
アレルギー様食中毒
allergy-like food poisoning
アレルギーヨウショクチュウドク アレルギー物質であるヒスタミンを多量に含む食品(魚介類)を摂取したときにおこる食中毒。ヒスタミン食中毒、腐敗アミン中毒ともいわれる。モルガン菌などのヒスタミン生成菌が、前駆物質であるヒスチジンを多く含む魚介類(特に赤身魚)に付着し、増殖すると酵素反応によりヒスタミンが生成される。症状はアレルギー様症状だが、いわゆる食物アレルギーとは異なる。
EC発酵管
Fermentation tube
イーシーハッコウカン 主に大腸菌の検査で使用されるEC培地を分注した発酵管。ダーラム管を入れた試験管で代用されることが多い。試料を接種したEC発酵管を44.5℃で24時間培養してガス発生がみられた場合、大腸菌「陽性」と判断する。
閾値
Threshold (amount, level, value, etc.)
イキチ 閾値とは事象と事象の境界を表す値。例えば、食品の味(甘味、苦味、塩味など)で閾値とはヒトが味覚として感知できる最低限の濃度を指す。
一次汚染
Primary contamination
イチジオセン 食品の製造場で発生する二次汚染に対して、原材料の段階(入庫前)にすでに存在する微生物汚染を一次汚染と呼ぶ。
一日摂取許容量
Acceptable daily intake (ADI)
イチニチセッシュキョヨウリョウ 一日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)とは、食品添加物など食品に添加もしくは含まれる物質について、ヒトが毎日摂取しても影響が出ないであろうと思われるその物質の1日の接取許容量を意味する。
一般衛生管理プログラム イッパンエイセイカンリプログラム 一般衛生管理プログラムとは、HACCP手法導入の前提条件プログラム(Prerequisite Programs=PRPまたはPP)のこと。施設の衛生管理や食品の衛生的取り扱い、従業員教育など食品事業者にとって必要な衛生管理項目が規定される。食品衛生法による「総合衛生管理製造過程」やコーデックスの「食品衛生の一般的原則」などが該当する。GMP(Good Manufacturing Practice=適正製造基準)もほぼ同じ意味で取り扱われる場合もあるが、一般衛生管理プログラムではGMPにはない「製品回収(リコール)」、「トレーサビリティ」、「品質管理」なども管理項目に含まれるので、GMPは一般衛生管理プログラムに包括されるものと分けて考えられる場合もある。
一般生菌数 イッパンセイキンスウ 生菌数、好気性細菌数とも呼ばれる検査で、食品中に含まれる好気的条件下で生育可能な中温細菌の菌数を指す。具体的には、試料あるいはその乳剤(希釈液)を標準寒天培地に混釈して平板を作成し、35℃-48時間の培養をおこなった後、生育したコロニーをすべて数えて一般生菌数とする。一般生菌数はその食品が衛生的にあつかわれたかを判断する衛生指標として用いられる。
IMViC試験
IMVIC test
イムビックシケン 大腸菌の鑑別のために行われる試験法。厳密に大腸菌の存在を判定するにはこの試験を行わなければならない。I (インドール産生試験), M (メチルレッド反応試験: MR), Vi (Voges-Proskauer反応試験: VP), C (クエン酸塩利用試験)の4つの試験を指す。それぞれの試験結果が「±、+、-、-」になるものが大腸菌。
陰イオン界面活性剤
Anionic surfactant
インイオンカイメンカッセイザイ 界面活性剤には大きく分けて水に溶かしたときイオン化(イオン性界面活性剤)するものとイオン化しない(非イオン界面活性剤)ものがあり、特にマイナスの電荷を持つイオン性界面活性剤を陰イオン界面活性剤と呼ぶ。洗剤として広く利用され、「セッケン」も代表的な陰イオン界面活性剤である。
インキュベーター
incubator
インキュベーター ふ卵器、恒温器ともよばれる。ヒーターなどが組み込まれた内部温度を一定に保つ機能を持つ装置。微生物検査では培養器として、平板培地などの培養に用いられる。
インドール産生試験
Indole production test
インドールサンセイシケン 大腸菌の鑑別などに用いられる検査法のひとつ。大腸菌は大便の臭気物質のひとつであるインドールを産生する性質をもつため、他の試験により分離もしくは増菌された菌のインドール産生能を調べることで大腸菌かどうかの判別ができる。通常はSIM培地とコバック試薬などを用いて、インドール産生能と硫化水素産生能、運動性の有無を同時に確認する。大腸菌はインドール陽性で運動性を持ち、硫化水素は産生しない。
インピーダンス法
Impedance method
インピーダンスホウ インピーダンスとは交流電流における電気抵抗値。食品検体などを接種した液体培地に2本の電極を差し込み、微弱な電流を流しながら培養すると、微生物が産生するイオン化合物によりインピーダンスが低下する。この変化時間と菌数には相関関係が認められるため、あらかじめ検量線を作成しておけば、おおよその生菌数が推定できる。この原理を利用し、培養法よりも迅速に検査結果が得られる迅速検査法として利用されることがある。
ウイルス
virus
ウイルス ウイルス(virus)とはタンパク質と核酸(遺伝子)から構成される微小な粒子である。生物の最小単位である細胞を持たないが、遺伝情報を持ち、他の生物の細胞を利用(感染)して自己を複製することができるため、生物と非生物の中間にあるような存在。特に細菌を感染宿主とするものをファージ(バクテリオファージ)と呼ぶ。
ウェルシュ菌 ウェルシュキン ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は食中毒原因菌として知られ、ヒトや動物の腸管内、下水、土壌などに常在する。食品からも高率に検出され、多量の菌で汚染された食品を接取するとヒトの腸内で毒素を産出し腸炎症状を引き起こすことがある。嫌気性の細菌で100℃の加熱にも耐える耐熱性を持つ胞子をつくるため、加熱後常温で長時間放置されたシチューなどが原因となって食中毒が発生することも多い。
エアーサンプラー エアーサンプラー 一定量の空気(エアー)をサンプリングするための装置。おもに空間の清浄度などを測定するため、空気中に浮遊する細菌など微生物を捕集するために用いられる。その他にも、空気中に浮遊する粒子数や存在する化学物質の量を測定する装置もエアーサンプラーと呼称することがある。
衛生規範 エイセイキハン 国民の食生活に密着した食品について、旧厚生省が通知した衛生に関する指針。「弁当・そうざい」、「漬物」、「洋生菓子」、「セントラルキッチン/カミサリー・システム」、「生めん類」のいわゆる一般衛生管理項目について規定されている。本来衛生規範は法令ではなく、あくまで目標値としてそれぞれの食品における微生物の目標基準値が設けられているが、近年この基準値が食品衛生法における食品の規格基準とほぼ同義に考えられることが多い。
衛生標準作業手順書 エイセイヒョウジュンサギョウテジュンショ

SSOP(Sanitation Standard Operating Procedures)。HACCP方式において衛生管理の具体的な手順を文書化したもの。

「いつ、どこで、だれが、何を、どのようにするか」を明確にし、目的に適った作業が確実に実行できるように、かつ担当者によって解釈が異なることがないよう作業の手順に従って具体的に書くことが前提となる。手順については文章でなく、図やイラストでも構わない。手洗所に設置する「手洗いの手順書」などが代表的なSSOPになる。
EMB寒天培地 エーエムビーカンテンバイチ 主に大腸菌群群の分離を目的として使用する寒天培地。大腸菌群の試験で、デソキシコレートやVRB、BGLB、LBなどによる一次培養後に確認試験用として使用することが多い。典型的な大腸菌群は培地表面で金属光沢を放つ黒色コロニーを形成するが、状態や菌株により典型的な反応を示さない場合も多く、ある程度濃い色調を示すコロニーはすべて大腸菌群と判断した方が良い場合もある。
AOAC エーオーエーシー Association of Official Analytical Chemists(分析化学者協会)
分析化学分野で分析法のバリデーション,分析の実務,精度管理等に携わる官民の科学者,行政官,その他組織から構成されており,米国を中心に約90ヶ国に会員を有する。
ATP測定法 エーティーピーソクテイホウ ATPは、Adenosine triphosphate(アデノシン三リン酸)の略語で、全ての生物エネルギー源として存在する化学物質です。ATPを測定することは生命の痕跡を測定することであり、食品衛生の分野では製造環境の清浄度判定に用いられている。洗浄後の器具からATPが検出されると云うことは、食品残渣や微生物の付着が考えられるため、洗浄不良の指標となる。
SCDLP寒天培地 エスシーディーエルピーカンテンバイチ レシチン・ポリソルベート80加ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地。SCD培地に防腐剤を不活化する成分が加えた日本薬局方などで指定される医薬品や化粧品などの生菌数(一般生菌数)測定に用いられる培地である。
SCD寒天培地 エスシーディーカンテンバイチ ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・カンテン培地。日本薬局方などで指定される医薬品や化粧品などの製剤や原料試験の生菌数(一般生菌数)測定に用いられる培地である。
エタノール エタノール エタノール(Ethanol)またはエチルアルコール(ethyl alcohol)はアルコールの一種で、数多くあるアルコール類の中でも、最も身近に使われる物質である。酒類の主成分であるため酒精とも呼ばれる。飲用、医薬品、有機溶剤、消毒剤、燃料などに広く利用される。
FAO エフエーオー Food and Agriculture Organization of the United Nations(国際連合食糧農業機関)の略。政府間協定によって設立された世界的専門機関のうち、国連総会の承認を受け国連経済社会理事会と連携関係協定を結んだ国連専門機関のひとつ。「すべての人々の食料安全保障を達成する」ことを目的として、世界の食料の状況調査や管理、提言など様々な活動をおこなっている。
F値 エフチ 実際の商業殺菌では、殺菌工程での加熱温度は刻々変化していきますので、殺菌効果も変化していきます。例えば、加熱初期では110℃であったものが徐々に120℃に上昇していきます。そこで、その時点での加熱温度による殺菌効果を121℃での殺菌効果に換算して、全工程の殺菌効果を積み上げていくという考え方が、缶詰・レトルト食品などの殺菌工程管理に使われます。このように、全工程を通した加熱効果が、121℃で何分間の殺菌効果に相当するかを表した数値がF値になります(単位は分)。通常の缶詰食品の殺菌条件では、ボツリヌス菌に対する12Dを基準として、F値は2.4分になります(D120値0.2分として、12D;0.2×12=2.4)。
FDA エフディーエー

Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)。

食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具などについて、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行う米国の政府機関。
エロモナス エロモナス エロモナス属菌のうちA. hydrophila /A. sobria(エロモナス・ハイドロフィラ/ソブリア)が下痢症をおこす食中毒菌として知られている。エロモナスは淡水域の常在菌で、河川、湖沼、その周辺の土壌および魚介類等に広く分布している。また、河川水のみならず沿岸海水からもよく分離される。熱帯・亜熱帯地域で分離されることが多く、国内での集団感染の事例は報告されていない。
塩化ベンザルコニウム エンカベンザルコニウム 陽イオン界面活性剤の一種。四級アンモニウム塩の混合物で水溶液は手指や調理器具の殺菌・消毒剤に用いられる。通常の石鹸は陰イオン界面活性剤であり、逆の電荷をもつため逆性石鹸とよばれるが洗浄力はなく、石鹸と同時に使うと効果が相殺される。殺菌剤として、グラム陽性菌には効果的だが、陰性菌には効果弱く、結核菌やウイルス、真菌類には効果がない。
塩蔵 エンゾウ 塩漬け。食品の保存法として古くから用いられてきた方法。主に食塩により食品の水分活性を低下させ微生物の生育を抑制し貯蔵性を高める。そのほかにも細菌の酵素作用を阻害するなど、複合的な微生物抑制効果がある。
エンテロトキシン エンテロトキシン 細菌が産生して腸管に作用する下痢毒素を総称してエンテロトキシン(enterotoxin)と呼びます。サルモネラ菌、ウェルシュ菌、セレウス菌などが産生しますが、特に黄色ブドウ球菌が産生する耐熱性を持つエンテロトキシンが有名。A~Eの5個の毒素型に分類される。
エンテロバクター エンテロバクター Enterobacter属。腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に含まれるグラム陰性通性嫌気性の桿菌であり、多くの株は乳糖分解能を持ち大腸菌群に含まれる。土壌、水、下水、ヒトや動物の腸管、様々な食品から分離され、食品の変敗にも関与する。
黄色ブドウ球菌 オウショクブドウキュウキン Staphylococcus aureus。ヒトやその他の哺乳類、鳥類など温血動物の皮膚、咽喉、消化管などに広く分布するブドウ球菌科(属)の1菌種で、食品中で増殖するとエンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生する食中毒起因菌である。
黄変米 オウヘンマイ ペニシリウム属などのカビが繁殖して黄色に変色したコメのこと。カビが生成するカビ毒がヒトに肝機能障害や腎臓障害など重篤な危害を引き起こすことがある。カビ毒はマイコトキシンと総称されるが、この毒素は加熱に強い性質を持つものが多く、炊飯後など菌体が死滅しても中毒症状は発症する。
オートクレーブ オートクレーブ 主に医療用、微生物検査用の高圧高温蒸気滅菌器を指す。オートクレーブによる滅菌は、ほとんどの細菌や細菌胞子を不活化できる122℃、2気圧、15-20分程度の処理により行われる。
オクラトキシン オクラトキシン マイコトキシン(カビ毒)の一種で、Aspergillusu ochraceusグループやPenicillium verrucosumが産生として知られている。オクラトキシンは化学構造の違いからAおよびBに分類される。
汚染指標菌 オセンシヒョウキン その食品が清潔に扱われたかを判断する指標としておこなわれる検査項目。一般生菌や大腸菌群などが該当する。
オゾン オゾン 酸素は通常2個の酸素原子が結合しているが、オゾンは3個の酸素原子からなる酸素の同素体。不安定であり、腐食性が高く、生臭く特徴的な刺激臭を持ち高濃度では人体に有毒である。強力な酸化力を持ち、殺菌や消臭、脱色、有機物の除去などの作用があり、欧米では水道水の浄化などにも用いる。
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