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日本細菌検査では、常に「製品の使用感」等のご感想を直接インタビューにお伺いし、ユーザーの皆様に、より微生物検査に取り組みやすい環境をつくってまいります。

記念すべき第一回インタビューには、北海道士別市で農業生産法人を営んでおられる
「かわにしの丘 しずお農場」様にお伺いし、農業やめん羊事業に対する想い、
それと衛生管理とのかかわりなどについてお話を伺いました。

かわにしの丘しずお農場 株式会社

  • 平成16年設立。
  • 事業内容
  • ビートの栽培と販売、サフォークめん羊の飼育および枝肉の販売。
    サフォーク飼養事業を基本にしたアグリビジネスの一環としてファームレストランμ(ミュー)・
    農業体験型ファームインλ(ラムダ)・バンガロー「風のささやき」などのサービスの提供。

かわにしの丘しずお農場 株式会社

しずお農場様ご紹介ムービー
http://www.shizuo-farm.com/swf/suffolk_of_phantom.html

今回のインタビューでは、しずお農場株式会社
支配人 今井 裕 様に色々とお話をお伺いしました。

設立当初は建設業からのソフトランディングとしてビートの栽培に取り組んでおられましたが、4年前からサフォークめん羊の飼育に取り組まれ、2008年から枝肉の試験販売を開始されました。

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しずお農場株式会社 支配人 今井 裕 様

「自分たちの製品には自分たちが責任を持つ。命をいただく限りは1gも無駄にしない。」そのような意識で羊肉の事業に取り組まれ、当初からBACcTを導入していただき細菌検査に取り組んでいただいています。現在BACcT CORを導入していただき、食肉(羊肉)製品の製品検査・工場内の環境検査を主におこなっていただいていますが、今後レストランの調理場も含めた環境検査もおこなっていく予定とのこと。全従業員が同じ意識で衛生管理に取り組まなければいけないと考えておられます。

今後の展開としては、2008年までは試験販売だった羊肉を2009年からは本格販売されるとのこと。どのような展開をされるのか楽しみです。

本日はお忙しい中お時間をいただいてありがとうございます。
こちらにお伺いする前にファームレストラン μ(ミュー)でお食事をさせていただいたのですが、
レストランのほうも最近はじめられた事業なのでしょうか?
今井様

そうです。レストランは昨年(2008年)11月1日にオープンしました。
ほんとに最近です。

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同行の二人もラム肉のほうをいただいたのですが、全然臭みがなくておいしいと感激していました。
ところで、早速なのですが、農場やめん羊の飼育を始められたのは、どういう理由があってのことだったのでしょうか?
今井様

ええ、ラム肉というのは香りはあっても臭みはないんですよ。ところで、われわれがなぜ現在の事業に取り組むようになったかということですが、もともと私たちは建設業を営んでいたのですが、ここ数年来の建設業の急激な減少にあって、何とかしないといけないということで異業種転換、いわゆるソフトランディングを図って色々と試行錯誤してきたわけです。実際は事業規模を縮小するほうが楽なのですが、地方でもあることですし、また、今まで我々を支えてきてくれたのは従業員であるということもあり、雇用を守りたいということで、業態をシフトしようということで始めたわけです。ただやることがないから農業でもやるかとか、そんな甘い気持ちで始めたわけではないのです。

うちの近くにオリゴ糖を作っている砂糖工場があるんですが、うちはトラックを持っていたこともあり、もともとその工場にビートを配達(運搬)していたんです。ところが、ここでも高齢化が進み、ビート農家がどんどん少なくなってきた。それと、幸いに農地もあったので参入しようと考えたわけです。で、どうせ参入するんだったら法人化しようと。農業生産法人にしないと、農地を購入するのも大変なんです。農地法があって普通の土地と違ってだれでも彼でも購入できるわけではないのです。それでビートのほうを始めたわけです。

羊のほうに関しては、サフォークランドという羊の街なのにそちらのほうもどんどん高齢化していって羊を飼う人もいない、値段も上がらない、外国製品に押されている、羊料理といえばジンギスカンしかない、といった状況でした。また、羊の肉は臭いというイメージがありますが、本当は食べてみたら全然そんなことはないということを分かってもらいたくて始めました。

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確かに、なかなか本州のほうには羊肉というのは広まらないですよね?
今井様

いや、まだまだですね。だから、それを広めていこうということでやっています。だって、国産のラム肉のシェアは4%くらいなんです。96%が外国製品で96%のうちの90%がオーストラリア・ニュージランド産で、あとはアイルランド産とか若干ありますが、ほとんどが外国産です。その96%のうちの消費の87%が北海道なんです。だから頭の黒いサフォークっていう種類はほとんどいないんです。士別市と焼尻(やぎしり)島くらいですね。なので、国産の4%のうちのサフォーク種っていうのはほとんどいないんです。でも、サフォークっていうのは質がいい、毛も取れるということで、飼うのが難しいんですが、やるんだったら徹底してやろうということで、サフォーク種を飼育しています。

ところで、どういった製品を主に扱われているのでしょうか?
今井様

やはりほとんどはお肉ですね。今はCAS冷凍っていう冷凍の技術があるので、いったん冷凍してもほとんど生の品質のままなんです。普通は冷凍すると劣化して値段も下がってしまうんですが、冷凍での運送技術も発達しましたので、沖縄からでも注文が来るし、売れるんです。ですから、今は生肉とあと、ラム肉の燻製を作る研究をしているところです。あとはラム肉のカレー(レトルト)を作っています。

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ラム肉のカレーとはめずらしいですね。
今井様

ほとんどないですよね。でもまぁ、ラム肉自体がジンギスカンしかないのでね。

それで食肉加工場があったので、トレーサビリティーに関しては完ぺきなのですが、安心安全のために徹底して自主検査をおこなう必要があると考えたわけです。自分たちが自分たちの製品に対して責任を持とうということと、やはり命をいただくということに対する意識をもっと徹底させて、命をいただいてありがとうという気持ちを持って、いただいたお肉を粗雑な扱いはしないで、1gでも大切にしてきちんと評価されるお肉にしたいと思っていて、それが結局細菌検査にもつながってくるわけです。


このたびBACcTを購入したのも、そういった経緯から私のほうから電話をかけさせてもらったんです。ほんとは初めは検査をしてもらうつもりだったんですよ。でも、やはりタイムリーなことをしたいということもあって、それで色々と調べているうちにBACcTに行きついたというわけです。2008年までは試験販売のような形だったんですが、やっと今工場もできて、スタッフもそろって、肉のほうもやっと本格的に出荷できる体制になってきました。ですから、2009年の肉から本格的に出荷するんですよ。ですから、細菌検査に関してもこれからフルに活用していくような形になります。

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当社でも今後色々ご協力させていただきたいと思います。
そこでなのですが、当社にご要望などございましたらお聞かせいただけませんか?
今井様

そうですね。それぞれの食にかかわっている食品製造業者に自主検査をもっともっと啓蒙していって、こうしないと検査に通らないとか、法律がこうだからこうだというコンプライアンスの問題だけではなく、自らが意識的に検査をするように啓蒙していってもらいたいですね。生産者が大事に育てたものなので、それを扱う加工業者もちゃんとしないと、という思いがありますね。

うちはたまたま生産者でもあるし、加工業者でもあるし、レストランもやっているということで事業者でもあるし、食べれば消費者でもあるわけですし、そのような形でトータル的にやっているので、農商工連携の典型だと思うんですが、そのあたりを意識的にやっていかないとだめだという思いもありますね。

特に肉の業界ではこれからそういうことを意識的にやっていかないとだめだと思うんです。M社の問題もありましたし、偽装問題とか色々ありましたし、うちとしては人のことを言う前に自分たちが飼育している羊が、どういう親から生まれて、どういう飼料を食べて、どういう水を飲んで、どういう環境で育ってきたのかということをきちんとしないといけないと考えています。最近は多くのシェフの方が生産者を見に来るんです。その点うちでは衛生面にも気を使っているし、水や飼料にもこだわっているので、ここの肉だと安心だと言ってもらっています。


では、トレーサビリティーに関しては完ぺきですね。
今井様

そういった意味ではそうですね。後は羊の系図もきちんとしていますのでね。血を濃くしないようにかなり気を使っています。

農業をやっていかれるのは大変だと思うのですが、その点いかがでしょうか?
今井様

そうですね。結局今まで農業っていうのは家族経営が多かったのですが、これからは家族経営では大変だと思います。うちはまだ従業員がいて休みもローテーションを組んでできるし、やっぱりひとつの事業として農業に取り組まないと自給率の向上にもなりませんし、うまくいかないと思うんですよ。農業自体を魅力ある産業にしていかなければならないと考えています。

農業の事業化ということについては、微妙な問題もあると思うのですが、
そのあたりはいかがでしょうか?
今井様

結局、大企業がやるようになったらまた話は変わると思います。そうなるとかえって既存の農業者が圧迫されるんじゃないかと思います。だから、地元に根ざした企業がそのあたりをクリアして、雇用を創出していくことによって雇用を守っていくという立場になれば、若い人達が都会に流出するということもなくなるんじゃないかと思うんですよ。

本日は長時間にわたり、貴重なお話をありがとうございました。
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